いつもカタリベ朗読館をお聴きいただき、ありがとうございます。
本日公開の最新朗読作品『あるBarで氷が溶けるまで語られる不思議な話』のご案内です。
【あらすじ】
雨の夜の静けさ、濡れた怪異、木片が語る本音、そして月を溶かした一杯の酒——。
都会の片隅にある小さなバーを舞台に、死の影を纏う者から温かな幻想まで、様々な客が紡ぐ不可思議な夜の物語。
日常と非日常の隙間で交錯する孤独や記憶、人の温もりが、マスターの静かな眼差しを通してしっとりと描かれます。
一杯のお酒とともに、深く静かな余韻に浸りたくなる、大人のためのオムニバス集です。
静かな夜のひとときに、ぜひお聴き流しください。
ちなみに個人的なお気に入りのお話は「月を釣る老人」です。
【最新動画はこちら
【作品情報】
・Barのマスターが客から聞いた不可解な話
【各あらすじ】
『先客』
激しい豪雨の夜、小さなバーに現れたずぶ濡れの若い女性。続いて入ってきた男も同様に傘を持たず、二人は一言も交わさぬまま静かに店を去っていく。残されたのは、異常なほど冷たい足跡と泥の匂い。翌朝、ニュースが伝えるのは昨夜10時に起きた死亡事故だった。彼らが訪れたのは、命を落とした1時間後。静けさの中に漂う切なくも恐ろしい奇跡を描く怪異譚。
『言葉を聴くコースター』
とあるバーのカウンターに置かれた、古い杉の木製コースター。そこに冷たいグラスを置くと、結露した水滴とともに客たちの「言えなかった本音」が声となって響き出す。親友への苦い嫉妬、遠くへ旅立つ娘への寂しさ……。酒の力を借りても口に出せなかった人々の愛おしくも切ない秘密を、静かに受け止め続けるコースターが奏でる温かな人間ドラマ。
『月を釣る老人』
満月の夜だけに現れる風変わりな客。老人が持参した小瓶の中には、川底から釣り上げたという自転する黄金の「月のかけら」が入っていた。それをウイスキーに溶かして口に含むと、胸の奥に溢れ出すのは、すっかり忘れていた幼き日の愛おしい記憶。世界中の幸せな記憶を吸い上げて輝く月と、一杯の酒が織りなす、一夜限りの幻想的で心温まるファンタジー。
『立会人か、それとも』
雨の夜、ひっそりとしたバーにやってきた正体不明の男。彼は事故の瞬間や病院での臨終、孤独死といった「人の最期」の静けさや本心のありようを、なぜか克明に語り始める。「立ち会うことが多い」と静かに微笑む男は、死の瞬間を誰よりも知る存在だった。彼は一体何者なのか。死の淵にそっと寄り添う男の謎と、静寂の中に響く言葉が心を揺さぶるミステリー。
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