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本日公開の最新朗読作品『寝る前7分の聞く小説』のご案内です。

【作品紹介】

7分で引き込まれる、静かな異界の記憶——。

港の酒場で沈んだ船の“中”を語る謎の男。
山奥で出会った猟師が追う、未知なる存在の足跡。
三日間沈むことのなかった、不気味で美しい夕焼け。
そして雪山の一夜、自分を完璧に模倣し始める「何か」。

日常のすぐ隣に潜む、説明のつかない違和感と不可解な現象。男たちが語る言葉の先に待つのは、幻か、それとも怪異か——。

個人的なおすすめの話は「消えない夕日」です。


【各話あらすじ】

『消えない夕日』

古びた貨物船での穏やかな旅のはずだった。だが、沿岸を離れて三日目、異常が起きる。水平線に触れた太陽が、そのまま沈まなくなったのだ。時計の針が進み、食事や見張りの交代が行われても、空の様子だけが動かない。乗組員たちは何事もないように振る舞うが、沈み切らない橙と赤の光は、しだいに心を重く苛んでいく。夜が訪れないまま過ぎていく時間。終わりなき夕焼けの中で、男の時間の感覚は静かに狂い始めていく。

『独坐の解釈』

山の点検に入った男が出会ったのは、巨大な古木の上にあぐらをかく異形の山伏「独坐」だった。額に一つ目を持つその存在は、男に問いかける。「なぜ人間はいつも争いを起こすのか」。土地や資源、正しさ、そして「意地」。男の返答に対し、独坐は静かに、だが鋭く問いを重ねていく。変わらず動きもしない異形の存在と、終わりなき争いを続ける人間の間で交わされる、深々と山に響く対話劇。

『沈まぬ声』

夜の港町、小さな飲み屋で出会ったひとりの船乗り。男はグラスを回しながら、ある航路の記憶を淡々と語り始める。天候、機関の不調、波の角度……あまりに具体的で詳細な語り。だが、男は決して船の名を口にしない。やがて彼が告げた「最後は静かに沈んだ」という言葉。翌朝、気になった俺が港の記録を調べると、該当する事故の備考欄には思わぬ事実が記されていた。乗員全員行方不明、生存者なし。ならば昨夜、俺に語りかけていたのは一体——?

『幻獣の足跡』

人の少ない山道で出会ったひとりの猟師。彼が足元に見せたのは、蹄でも爪でもない歪な形の足跡だった。猟師はまるで長年追ってきた獲物のように、その歩みや鳴き声を語り始める。半信半疑のまま山を降りた俺だったが、数日後、別の山で言葉を失うことになる。霧が立ち込める湿った土の上に残されていたのは、あの日見たものと全く同じ足跡。歩幅の癖も、重さのかかり方も一致している。山には、知らないままの方がいいものが確かにある。

『真似る側の夜』

猛吹雪の山で倒れ込みそうになりながら、男は古びた山小屋へ逃げ込んだ。そこには先客の男がいた。安堵したのも束の間、男は強烈な違和感を覚える。相手は自分の言葉や動きを、わずかなズレを伴って正確に「真似」していたのだ。外は荒れ狂う吹雪、逃げ場のない密室。夜が更けるにつれ、相手の動きや表情、声は完璧に自分へと近づいていく。朝を迎え、小屋を出ようとした瞬間、男の脳裏に恐ろしい疑問が走る。「真似をしているのは、どちらだ?」

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