【朗読】親切にしてくれた「あの見知らぬ人」は存在したのか?
いつもカタリベ朗読館をお聴きいただき、ありがとうございます。
本日公開の最新朗読作品『親切にしてくれた「あの見知らぬ人」は存在したのか?そんな不思議な話』のご案内です。
【作品紹介】
誰にも言えなかった、あの日、あの場所
夕暮れの迷路で出会った優しい老人、深夜の高速で差し伸べられた消えたトラックの救いの手、図書室の本に挟まれた見知らぬ誰かとの文通……。
途方に暮れた人生の夜闇で、私たちはいつも「名前も知らない誰か」の温もりに救われてきた。
不思議で、少し切なくて、どこか温かい。 あなたの胸の奥にも眠る「説明のつかない記憶」を呼び覚ます、6つの小さな奇跡の物語。
静かな夜のひとときに一つ朗読をどうぞ。
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【作品情報】
・親切にしてくれた「あの見知らぬ人」は存在したのか?そんな不思議な話
【各話あらすじ】
消えた案内人
十歳の夏、迷い込んだ見知らぬ路地で途方に暮れていた私は、不思議な懐かしさを纏う老人に出会う。「大きくなったなぁ」と呟き我が家へ導いてくれた老人は、お礼を言う間もなく姿を消した。二十年後、思い出の場所を訪れた私が目にしたのは、半世紀以上前から続く大きな屋敷のレンガ塀。人が通れる道など存在しなかったのだ。あの温かい手を持つ老人は一体誰だったのか。夕暮れを迎えるたび、懐かしい背中が蘇る。
お助けトラック
深夜の高速道路でガス欠になり途方に暮れていた男。JAFを待つ車内に現れたのは、古い平ボディのトラックに乗る男性だった。親切にガソリンを分け与え、「困った時はお互い様」と去った男にお礼を伝えるため、翌日ドラレコを手に運送会社へ連絡する。しかし返ってきたのは「その車は3年前に事故で廃車になり、運転手も亡くなった」という衝撃の事実だった。今も深夜の高速で、男はバックミラーを長く見つめてしまう。
図書室の付箋と、見知らぬ誰か
教室に馴染めず図書室へ逃げ込んでいた高校生の「私」。ある日、借りた本のページに『次の章、すごく綺麗ですよ』と書かれた薄水色の付箋を見つける。思わず返事を書いたことから、顔も名前も知らない誰かとの「付箋の文通」が始まった。優しい言葉に救われ笑顔を取り戻した卒業式の日、最後の付箋には『ずっと前から笑顔を取り戻す姿を見ていました』というメッセージが。名もなき誰かがくれた温もりが今も胸を照らしている。
ラジオから私へのリクエスト
仕事で絶望的な失敗をし、雨の車内で自暴自棄になっていた男。死を覚悟したその時、深夜ラジオから流れてきたのは「雨の中、泣き出しそうな顔で立つ男の人を見かけた」というリスナーからの投稿だった。『大丈夫、自分を責めないで』という言葉と温かなリクエスト曲が男の心を救う。五年後、新しい道を歩み始めた男は同じ番組へ感謝の便りを送る。見知らぬ誰かから受け取った優しさのバトンを、今度は自分が届けるために。
古い漁師の男
子供の頃、海水浴で離岸流に流され溺れかけた「私」。絶望の淵で腕を掴んで救ってくれたのは、頭に白い手ぬぐいを巻いた古い合羽姿の漁師だった。浜に上がると一瞬で姿を消した男にお礼を言うため港を回るが、誰もその特徴の漁師を知らない。二十年後、地元の神社を訪れた私は絵馬の山を目にする。そこには『手ぬぐいの漁師さん、助けてくれてありがとう』と、時代を超えて多くの人々から同じ男への感謝が綴られていた。
タイムスリップ
幼い頃、夏祭りの混雑で迷子になり泣いていた「私」に声をかけてくれたのは、朝顔柄の浴衣を着た美しい女性だった。温かい手をつなぎ、迷いなく自宅まで送り届けてくれた女性は一瞬で姿を消す。月日が流れ、亡くなった祖母の遺品を整理していた私は、一枚の古い白黒写真に目を奪われる。そこには昭和三十八年、自分が生まれる遥か昔にあの朝顔の浴衣を着て微笑む、若き日の祖母の姿が写っていたのだった。
謎のドーナツおじさん
連日の徹夜仕事でボロボロになり、深夜のコンビニで立ち尽くしていた「僕」。前に並んでいた見知らぬおじさんから、突然揚げたてのドーナツを奢られる。驚く僕に「自分も若い頃、見知らぬ人に肉まんを奢られた。これは恩送りのバトンだから、君も将来困っている若者に奢ってあげな」と笑顔で去っていくおじさん。手の中の温かい甘さに救われた僕は、いつか自分も誰かにバトンを渡せる大人になろうと心に誓う。
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